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 気付けばずっと放置されていたので、色んなことについて書きます。


 数年前から左脚に時折走る謎の痛みというのがあって、受診したものの、医者からは「体が硬いだけでしょ」と一瞥を食らっていたのですが。
 その症状が牙を剥き、昨年の11月ごろ、激痛と共に起床、朝の2,3時間を涙を堪えながら、のたうち回って過ごすということに陥りまして、ようやくついた診断が腰椎椎間板ヘルニアでした。これがなかなか収まらなかったために座り姿勢をとることが困難になり、とはいえこんな惨状を親に伝えて「甘えだ!」と切り捨てられるのも嫌で不登校になってしまい、気付いたら大学復学への意思というのは泡と消えてしまったのでした。その間何をしていたかというとゲーセンで音ゲーばっかりしてました。

 今までの経緯について書いていなかったので、しょうもない自分語りを少ししたいと思います。
gmy.hatenadiary.com
 このエントリーをした時の自分は、確かバイトに漬け込まれていた気がします。その裏で大学復学ということを考えていました。かなり、追い詰められていた。ただ、必要な時間に必要な仕事をして、あとは何も考えずに寝てました。本当に寝ていた。Twitterを見ながら、布団の上で横になるだけの生活でした。
 ストレートに行けば今年は大学四年生、就活真っ盛りの人生を送っていたはずのモヨヒコですが、残念ながらそのコースは私が大学二年生の頭に差し掛かった時にすでにへし折れていて、他人との関係をうまく構築できない自分は、大学のサークルで居場所を失ったことをきっかけに崩れ落ちるようにして大学生活から脱落しました。強い連帯をもっている集まりの中で自分自身の異物感に耐えることができず、とはいえ自信を持ち合わせているわけでもなかったので、ただその場所にいるということすらできなくなっていました。そんな自分を両親に打ち明けられることも出来ず、ずっと講義から逃げ、大学には足を向けずにいました。
「今現在社会で求められている人材の第一要件は社交性を持ち合わせていることなんですよ!」
 とある教員のこの一言で全部だめになってしまった思い出があります。どうしても周囲に馴染むことができず、一歩遅れて皆の後姿を見ているような人間は、社会には必要ない。評価の対象たり得ない。そうなったら、この場所で自分自身の存在する意味なんてのはなくなってしまうんだろうなあと思ったりしていました。”必要とされている”人々を見ると吐き気がしたし、どんどん押しつぶされていくような心地がありました。
 でも、社会に出なくてはいけない。社会に出るには今や大卒は当たり前。大学くらい出なくては。という周囲からのプレッシャーから、何度も復学しようとしましたが、根本のところが変わっていないのでダメでした。学問だけに真摯に取り組もうとしても、「学問よりも大切な社交性」に阻まれる。自分がその程度の人間に過ぎなかったということかもしれなかったけれども、ぬるま湯に突っ込まれた金魚みたいな気持ちでした。

 そんなわけで、何度目か数えるのすら面倒ですが、大学三年の秋、冒頭に記したように腰椎椎間板ヘルニアが急性期に突入、またしても復学チャレンジは失敗に終わってしまいました。年を明けて、ただゴロゴロするくらいの生活を送っていた親についにブチ切れられて、「次の春こそ、ちゃんと前に進みなさい。」といわれた私は、「あー、じゃあ、絵の勉強するのに、東京で専門通うよ。」と思い付きでぶつけてしまいました。このころの自分の楽しみもまた、ゲーセンに行くか、好きな音楽を聴いているか、家でゲームをしているか、絵を描いているか。「そう言ったからには、全部自分で調べて動きなさい。」と言われ、だったらとっととここを出ていこうと、アレコレと調べたり、実際に東京に足を運んだりして、本格的な進路変更に動き出し始めました。
 学校の見学のために、はじめて東京に一人で出てきたとき(まず一人で飛行機に乗ることすら親には反対されていました。)、数年来の関わりになっていたとあるフォロワーさんに初めてお会いして、街を案内していただきました。これが物凄く自分に取って大きな経験になったことを覚えています。自分のここ数年歩んできた道を視覚的になぞると、「大学二年にして不登校・休学と復学とを繰り返した末、単位をろくに取得することなく退学」と、そこそこ危なっかしい道を通っていて、(同じ道を歩む人を侮蔑するわけでもありませんし、今は本意には思いませんが、)社会的に居場所のない落ちこぼれに違いないと思いつつも、それでもようやく自分で選択肢を選んだのだから、居場所がなくても作れるよう進んでいくしかないなどと考えていたのですが、このフォロワーさんといくらかお話しさせていただいたことで、居場所云々ではなくその場所にいる意味、そこで何かを感じ取る意味、さらに大げさにはなりますが、生きていく意味、というのも強く感じられるようになりました。このことについては経験として深すぎて、記すためにはまだまだ自分は未熟なので、詳細は省きます。しかし、様々な人と実際に一つの空気の中で言葉を交わすことの重要性は再確認されました。
 ともかく、この経験が、自らの選択を後押ししました。居場所や存在意義みたいなものにひどく飢えていた自分にとっては、その際実際に見学した学校の空気以上に、新たな街で生きていくということ自体が非常に大きな魅力に映りました。親の強い反対はありましたが、これを最後の親不孝に、そして今できる一番の親孝行のため、と、東京への進学の意思を伝えました。紆余曲折ありましたが、説得が通じ、最終的には親からの強い後押しの元で札幌の街を離れることとなりました。

 で、今何をしているのかというと、腰椎椎間板ヘルニアで三か月の入院を余儀なくされています。
 えー……ヘルニアはマジでやばいです。いや、大抵の人はここまで重症に陥ることはないようですよ。ですが、精神的に参っていた時期に運動量自体も落ち込んでいたし、そもそも肥満体系だったり、姿勢が悪かったりと、なんかもうロイヤルストレートフラッシュだったので、ひどく重症化してしまった自分は、もうマジでヤバいヘルニアでした。最終的には学校に行こうとチャリを漕いで降りた瞬間に立っていることすらできなくなり、左脚の激痛と、右脚から感覚が消失したことを認め、茫然としたまま三階建て駐輪場のてっぺんでアッツイ日差しを浴びながら倒れていました。
 人生初の救急車と、人生初の一週間うずくまったきりの生活、犬のように伏して病院食を食らい、ゴールデンウィーク突入や地元病院の設備不足のために手術を待ち続ける、ただただ激痛だけが体を支配する生活。幸いにもその病院の先生の伝で、設備の整った大きな病院に移ることができ、新しい病院の担当医が緊急手術に運んでくださったおかげで、当初の予定よりも一週間早くメスを入れてもらうことができました。手術によって痛みはさっぱり取れましたが、背中に血抜きの管を通したり、赤裸々な話ですが排泄関係の障害のためにアレに管を突っ込んだりソコに指を突っ込んだり、そこから歩けるようになるための生活を一か月。さらに、より本格的なリハビリを行うためにリハビリテーション病院への転院となり、これが二か月間の入院。計三か月の入院。……というのが、東京での新生活開始から三週間目の出来事でした。
 結果として人生で一番でかい失敗をやらかしてしまいました。
 体は大切にしなくてはいけません。今の自分はまだ排泄に障害がありますし、右脚に通る神経が一部断裂してしまったことにより回復の見込みが薄い感覚鈍麻・運動障害が残っています。新しい学校だからと、多少体にガタが来ていてもしっかり通わなきゃと思っていましたが、さすがに駅から徒歩五分の学校のはずなのに、駅から歩くこと50分でようやく到着するような体になってしまった時点で諦めるべきでした。あっ、ちなみに学校の方には柔軟な対応を戴きましたので、10月から改めて専門学校生として真摯に学びに取り組んでいきたいと思っております。そのように相成る予定でございます。頑張ります。
 今もリハビリ病院の一角で、iPhoneテザリング機能に助けられながら、パソコンからなんとか文章を送信しているところです。便利な世の中です。まあ、普通にiPhoneから更新しても何ら障りないのですけれども。

 そんなこんなで、今は割と前向きです。自分がやりたいことに素直になれたし、自分の好きなものが何なのかわかったし、自分の好きなことをしても自分を嫌いになる必要がなくなったし、まだまだ至らない点があってもそれを支えてくれるサポーターがいることに安心も出来るし、努力の矛先をどこに向けていいのかわかりやすい。体がこんなことになってしまったけれど、それでも上半身はこの上なく元気。二度と歩けなくなる体でもない。というか、練習を積むと能力が向上し、結果が目に見えるってのが何よりゲーム的に面白すぎてリハビリのツボにはまっている。滅茶苦茶楽しいです。誕生日を病院で迎えちゃったり、なかなか経験できないことが今自分に降り注いでいる。そのうち誰かと酒を飲みながら話す肴にもなってしまう(大しておいしくないかもしれないけど)。楽しいです。はやく外に出て歩きたい。こんなに渇望した気持ちで、あこがれを詰め込んだ目で、青空を見ることなんてない。外の暑さですら恋しい。今の気持ちが凄く新鮮で、ここから出るころの自分が前向きに歩いていくということ自体に、ものすごく大きな希望を抱いている。サイコーです、これ。
 あと、ひと月と少しほど、病院生活が続きます。その間、また何か文章を打つかもしれません。絵を描くかもしれません。そんな時間を与えてくれた腰椎椎間板ヘルニアは、確かに憎い奴ではあるのですが、心から感謝しなくてはいけない相手なのかもしれません。んなわけあるか!!!!お前ほんと!!!!!!ばーかばーか!!!!!!!!!!
 そんな感じで、そろそろ今年も半分が終わってしまいますが、皆様お体には気をつけてくださいませ。
 では。